昨日の産経新聞記事によると、政府が10月中に取りまとめる総合経済対策に「イノベーションボックス税制」の創設を盛り込むことが明らかとなったようです。
<独自>知財所得に優遇税率導入へ 研究開発力強化
https://www.sankei.com/article/20231004-K3T3AJ7MB5KMTGXRIL6LEX3ERY/
イノベーションボックス税制とは、特許や著作権などの知的財産を活用して得た利益に対して低い税率(法人税)を適用するというもので、特許に着目して「パテントボックス税制」と呼ばれることもあります。
イノベーションボックス税制は、既存の知的財産の商業化や新たな知的財産創出のインセンティブを提供して企業の研究開発・投資を促進することや、研究開発拠点としての立地競争力の向上、つまり研究開発拠点として自国が選ばれるようにすることが狙いで、フランスが世界に先駆けて20年余り前に導入してから欧州各国に広がっている他、アジア太平洋諸国においても導入・検討が進んでいます。
この税制の対象となる「知的財産を活用して得た利益」とは、知的財産権のライセンスによって得たライセンス料や、知的財産権の譲渡によって得た利益の他、知的財産を組み込んだ製品の販売によって得た利益なども想定されています。
医薬品、電気自動車(EV)や人工知能(AI)など、対象となる分野は一定に限られるものの、早ければ令和6年度の導入を目指すとのことですので、日本経済の活性化に向けた“知財税制”として今後の動向に注目が必要です。
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