マドプロ出願にせよ直接出願にせよ、外国へ商標登録出願を行う際に悩むのが、商品・役務表示(指定商品・指定役務の記載)です。
商品・役務表示が適切でないと補正指令や拒絶理由通知書などのオフィスアクションを受けてしまうため、適切な商品・役務表示で出願することが大切です。
日本の商標登録出願の場合は、適切な商品・役務表示を調べるにあたって、お馴染みJ-PlatPatの「商品・役務名検索」が役に立ちますね。
外国へ商標登録出願を行う場合にもJ-PlatPatは大変役に立つのですが、J-PlatPat以外にも、 適切な商品・役務表示を複合的に(例えば現地の言語で)調べることができるデータベースがたくさん存在します。
そこで、いくつかご紹介します。
DB番号 | DB名 | どの国へ出願する際に役に立つか |
1 | Trademark ID Manual | 米国 |
2 | Madrid Goods & Service Manager | マドプロ出願 |
3 | TM5 ID List | 米国、欧州連合、中国、韓国(、日本) |
4 | TM class | 欧州連合、欧州連合加盟国 |
5 | 商品及服務名稱中英對照查詢系統 | 台湾 |
1. Trademark ID Manual
このデータベースは、米国へ商標登録出願を行う際に使います。
米国への商標登録出願であればTM5 ID Listでも良いのですが、このTrademark ID Manualの中から商品・役務表示を選ぶことで「TEAS Plus」という出願オプションを選択することができ、これによって出願時の印紙代が減額されます。
審査の過程で「商品・役務表示が不明確である」といった指摘を受けることも回避できますので、米国へ商標登録出願を行う際には必ずチェックしたいデータベースです。
2. Madrid Goods & Service Manager
このデータベースは、マドプロ出願を行う際に使います。
WIPOがマドプロ出願の商品・役務表示として受け入れ可能なものはJ-PlatPatでも調べることができますが、Madrid Goods & Service Managerでは、最大で40(令和3年8月現在)の指定国官庁での採用可否を同時に確認することができます。
そのため、マドプロ出願を行ったその先、つまり各指定官庁における審査まで見据えた上で、商品・役務表示を検討することができます。
なお、2016年からは日本の類似群コードを検索キーとして使用することができるようになりましたので、マドプロ出願を行う際にはぜひ活用したいデータベースです。
3. TM5 ID List
このデータベースは、 米国、欧州連合、中国、韓国 、そして日本の5つの庁が共同で取り組んでいるプロジェクトに基づいて作成されたもので、このTM5 ID Listに掲載されている商品・役務表示は、これら5つの庁にて受け入れ可能です。
TM5 ID Listに掲載されている商品・役務表示はJ-PlatPatでも調べることができますが、EUIPOが管理している専用サイトでは各商品・役務表示の翻訳を確認することができますので、特に、中国と韓国へ商標登録出願を行う際にはぜひチェックしたいデータベースです。
4. TM class
このデータベースは、欧州連合、あるいはその加盟国へ商標登録出願を行う際に使います。
TM classでは、商品・役務表示の日本語、中国語、韓国語などの翻訳の他、欧州連合域内の言語の翻訳を確認することができます。
とくに欧州連合の加盟国へ商標登録出願を行う際、現地代理人とのコミュニケーションがより円滑となるよう、TM classで現地語の翻訳をチェックしておくと良いです。
5. 商品及服務名稱中英對照查詢系統
このデータベースは、台湾へ商標登録出願を行う際に使います。
商品及服務名稱中英對照査詢系統では、台湾特許庁が受け入れ可能な商品・役務表示を英語で調べることができます。
台湾へ商標登録出願を行う際にはぜひ活用したいデータベースです。
以上、適切な商品・役務表示を複合的に(例えば現地の言語で)調べることができるデータベースをいくつかご紹介しました。
弊所ではこういったデータベースを活用しつつ、各国代理人との良好な協力関係に基づいて、各国代理人から適宜アドバイスを受けた上で商品・役務表示を検討し、出願戦略をご提案しています。
外国への商標登録出願をお考えのときは、石原国際特許事務所までお気軽にお問い合わせください。
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