格安商標登録サービスと弊所のサービスの違い

「最新のAI技術を使った商標クラウドサービス」や「成功報酬なしでお得」など、格安で商標登録の手続きを頼めるネットサービスが増えています。

この手の格安商標登録サービスは、確かに費用だけを単純に比較すれば魅力的に見えますし、サービスの選択肢が増えるという意味では良いことではないかと思います。

一方で、この手の格安商標登録サービスを提供する事務所と弊所とは、どちらも商標登録を支援する事務所である点は共通するものの、最初の相談から登録に至るまで、そして登録した後の一つ一つのサービスに対する考え方・価値観が根本的に異なります。

商標登録の出願手続き自体は、実際には、①登録したい商標と②商標を使用する商品・サービスが決まれば、後はA4の紙1枚~2枚程度の願書を用意して提出するだけです。

つまり、普段見かけることのない複雑な言い回しを駆使して何十枚もの書類を用意する特許出願とは異なり、一見すれば簡単そうで、それこそプロである弁理士の手に掛かればいくらでも機械的に処理できるということです。
(それゆえ、この手の格安サービスは商標登録に特化しているという訳です。)

しかし、だからと言って商標登録そのものの専門性が低いというわけでは決してありません。

商標登録における専門性は、例えば、商標調査の結果に加えて、商標を使用する商品・サービスだけでなくクライアントのビジネスの全体像・将来展望まで十分に加味した上で、どのような商標をどのような商品・サービスについて登録すべきかを的確に分析・提案する場面で発揮されます。

例えば、何らかのテーマ(干支、和風月名など)に基づいて将来的にシリーズ展開する可能性がある場合は、将来的に登録することになりそうな商標についても併せて商標調査を行い、その結果も踏まえて商標戦略を総合的に検討した方が良いでしょう。

また、商品・サービスをあれこれ指定し過ぎると、後々不使用取消審判を起こされた上に審判費用(55,000円~)の負担を求められることもありますので、過不足のない指定が大切です。

他にも、外国でも登録する可能性がある場合は、優先権主張を見据えて商品・サービスの記載をアレンジしておいた方が良いといったケースもあります。

いくらITを駆使しようともAIが発達しようとも、弁理士が自らクライアントと丁寧にコミュニケーションを取る中でクライアントの想いや言外の意図を理解しない限り、本当の意味で価値のある専門性の高い分析・提案は難しいでしょう。

また、商標登録というのは単なる許認可ではありませんので、登録したらそれで終わり、ではありません

登録した後の5年・10年の間に、「何となく紛らわしい商品を見つけたが、これはうちの商標権の侵害にあたらないのかな」、「取り扱う商品の種類を増やしたいんだけど、今の商標登録の範囲でカバーできるのかな」や「商標のデザインを変えたいんだけど、この程度まで変更して良いのかをちょっと見てほしい」など、弁理士にちょっと相談がしたいという場面が少なからず生じます

そのような場面で、電話で話した瞬間に自社のことと相談対象の商標のことを思い出し、自社の事業内容や商品・サービスの特徴、相談対象の商標の最初の相談から現在に至るまでの経緯・歴史を踏まえて、いちいち相談料を取るまでもなく弁理士が具体的に即答することを、この手の格安商標登録サービスに期待できるでしょうか。

商標登録サービスは、あくまでも登録をゴールとすれば、つまり登録までのお付き合いというスタンスで手間を省くことに徹すれば、格安でひたすら機械的に処理できるでしょう。
(格安商標登録サービスを提供する事務所が総じてそのようなスタンスであることは、登録した後のサポートについて「更新期限を自動で通知」といった程度の説明しかなく、弁理士への相談を原則有料としていることからも理解されます。)

しかし、本当の意味で価値のあるサービスをご提供するのであれば、時間をかけてでもクライアントのビジネスの全体像・将来展望を理解する作業や、ちょっとしたことを気軽にご相談いただける事務所体制など、機械化したり省いたりすることのできない作業・事務所体制があります。

そして、 機械化したり省いたりすることのできない作業・事務所体制があるということは、それ相応の報酬をいただかなければ、5年、10年あるいはそれ以上に亘って、質の高いサービスを安定してご提供することはできません。

弊所は、専門性・質の高さにおいて格安商標登録サービスとの価格差を遥かに上回る、本当の意味で価値のあるサービスをご提供しています。

商標登録をお考えのときは、石原国際特許事務所までお気軽にお問い合わせください。

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