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知財経営サポート

特許出願と実用新案登録出願の使い分け

特許と実用新案の保護対象は同一ではないものの共通する点があることから、知財戦略としてあるアイデアの出願を検討した時、特許出願と実用新案登録出願のどちらを選択すべきか迷う場面は少なくありません。
ここで、特許と実用新案を様々な観点から比較してみると、以下の表のようになります。

  特許 実用新案
保護対象 発明 物品の形状、構造、組合せに係る考案
審査 実体審査あり 実体審査なし
権利化までの期間 審査請求から26ヵ月以上 出願から約3ヵ月
特許(登録)率 審査請求がなされた出願の約50% 基本的には100%
権利行使 適する 特許よりも注意が必要
存続期間 出願から20年 出願から10年
年間出願件数 約40万件 約1万件

端的に表現すると、特許出願はある程度期間を費やして長期間安定した権利を取得するための出願、実用新案登録出願は短期間で形式的な権利を取得するための出願、となります。

特許出願と実用新案登録出願のどちらを選択すべきかという場面では、権利行使の面と存続期間の面を中心に検討して事業分野や事業計画に馴染む出願を選択するのが適切です。
事業分野が模倣品被害の多発する分野である場合は積極的な権利行使を視野に入れる必要があり、その場合は権利としての安定性が高い特許権が一般的には有利であると判断できます。
一方、事業計画が短期的である場合は早期に権利化する必要があり、その場合は実用新案登録出願を選択する方が存続期間の面からも適していると判断できます。

なお、出願から権利化までの期間は実用新案登録出願の方が短いですが、特許出願についても早期審査制度を活用することで短期間での権利化が可能となっている現状では、権利化までの期間についての比較はそれほど意味を持たなくなっています。

実用新案登録に基づく特許出願

特許出願と実用新案登録出願を使い分けるための検討ポイントについて上述しましたが、どちらを選択するか迷った場合、多くは特許出願が選択されているのが実情です。
しかし、積極的な権利行使の意向が無い場合や事業計画がまとまっていない場合は、特許出願を選択することが必ずしも最善ではありません。

現在、このような場合における選択肢を増やすために、実用新案登録に基づく特許出願が可能となっています。これは、一定の条件を満たすことを条件として、一旦は実用新案登録出願して実用新案権を取得した考案を改めて特許出願し直すことが可能となる制度です。
この制度により、特許出願と実用新案登録出願のどちらを選択すべきか迷う場合、とりあえず実用新案登録出願を選択して早期に実用新案権を取得した上で、その後必要により特許出願し直して特許権の取得を図ることができます。

知財経営におけるメリットは、主に2つ挙げられます。
  1. 初期費用を抑えた権利化が可能となる
  2. 事業計画や業界動向に応じた柔軟な権利活用を図ることができる
実用新案登録出願は、特許出願と異なり出願審査の請求費用が掛からないために費用面の負担を抑えることが可能となります。また、模倣品被害の増加や販売期間の延長などに応じて、より権利としての安定性が高く存続期間も長い特許権を取得し直すことができます。